原作『指輪物語』について。 [おきにいり]
【*今日(2月4日)の記事のTB編集中に、この回(2月3日)の記事が消えてしまいました。通常の操作中に突然このような事になりました。かなり動きづらかった直後に起きましたので、ソネブロの不調と関係があると思います。バックアップを取ってありましたので、そちらを再録させて頂きます。皆様から頂いたnice!とコメントが、その分消えてしまっています、大変申し訳ありません。便宜的に記事作成時と同じ日付にしてあります。】
今日は、映画『ロード・オブ・ザ・リング』(LOTR)の原作のご紹介をさせて頂きます。(*'_'*)
The Fellowship of the Ring (Lord of the Rings (Paperback))
- 作者: J. R. R. Tolkien
- 出版社/メーカー: Mariner Books
- 発売日: 1999/09
- メディア: ペーパーバック
『指輪物語』(原題:The Lord of the Rings)は、J・R・R・トールキン作のファンタジー作品です。英語のもともとの書名"The Lord of the Rings"は、モルドールの冥王サウロンに由来しており、「支配する指輪(一つの指輪)」を作成した事から「指輪の王」と呼ばれ、これが書名となりました。
The Hobbit : The Enchanting Prelude to The Lord of the Rings
- 作者: J. R. R. Tolkien
- 出版社/メーカー: Ballantine Books (Mm)
- 発売日: 1992/01
- メディア: マスマーケット
実はこの3部作は初期作品『ホビットの冒険』の続編であり、トールキンは、『ホビットの冒険』を書いた後、別の本を書くつもりはなかったそうです。そこを出版社に説得され書き始めました。トールキンは当初、作品を大きな一巻本で刊行しようと考えていたそうで、その意味では、『指輪物語』三部作と呼ばれるのは正確ではありません。
The Lord of the Rings: The Return of the King
- 作者: J.R.R. Tolkien
- 出版社/メーカー: HarperCollins
- 発売日: 2005/10/17
- メディア: ハードカバー
さまざまな経緯を経て、1960年代半ばにはアメリカでも大変有名になり、文化的現象と呼ばれるまでになりました。1960年代には『指輪物語』の影響で、アーシュラ・K・ル=グウィン の『ゲド戦記』など、このジャンルの多くの良書が出版されました。1987年、テキストの電子化により、英米のテキストがようやくほぼ一致しました。
内容やプロットの似た派生本も、この後にたくさん現れました。『指輪物語』の筋をなぞっただけの派生品については一般に、トルキニスク(Tolkienesque)という用語が使われるようになりました。これは、魔法のファンタジーの世界を邪悪な冥王や魔王の軍隊から救う冒険者のグループ…というパターンのお話を指します。
日本では1972年から1975年にかけて、有名な瀬田貞二訳の全6巻が評論社から出版され、1977年には同社から文庫版全6巻が出版されました。瀬田氏亡き後の1992年には、共訳者であった田中明子氏が全面的に見直し、追加も含めてようやく全訳となりました。2003年には、文庫の第10巻『追補編』が発行されています。
日本語訳が読みづらいという声も聞かれますが、今日はこの経緯について書きたいと思います。実は作中にある固有名詞を翻訳するにあたっては、各国の言語にそれぞれ可能な限り修正するようにというトールキンの意向があったのだそうです。それを反映して、瀬田貞二訳では幾つかの人名や地名が日本語に翻訳されています。
私が子供の頃、最初に読んだ『ホビット』と『指輪物語』は英語版でした。日本に戻って来てしばらくしてから、朗読のボランティアをした時に、『指輪物語』を読んで欲しいという希望があって、私自身大好きな作品なので引き受けたのですが、その時に初めて日本語版を読みました。一番面白く感じたのが、この日本語版の人名や地名です。
有名なところを幾つかご紹介しますと、まず物語全体の地域"Middle-earth"は「中つ国」、フロド達の村"The Shire "は「ホビット庄」、フロド達を追いかける"Black Riders"は「黒の乗手」、ガンダルフの馬"Shadowfax"は「飛蔭」、ゾウの様な生き物"Oliphaunt"は「じゅう」と、それぞれ命名されていました。とても新鮮でした。
そしてゴラム(Gollum)はゴクリに、またフロドが持つ剣"Sting"は「つらぬき丸」、またアラゴルンは森のレンジャー時代にはストライダー(Strider)と呼ばれていましたが、これは「馳夫」という風に訳されていました。また有名なゴクリの「いとしいしと」は、原作や映画では“my precious”です。瀬田訳はトールキンの原作の格調高さを正確かつ独創的に表現している為、現代の文脈では読みづらいという事になるのかもしれません。
オックスフォード大学の教授であったトールキンは、おとぎ話、北欧神話、ケルト神話、言語学に対する自らの興味から『指輪物語』を執筆しました。トールキン自身は『指輪物語』をカトリック的な宗教的作品と考えているところがあったようですが、基本的には何の寓話的意味合いも含まないとしています。
しかしながら、当時この指輪は原子爆弾の寓話であるとされ、ベトナム戦争時には「ガンダルフを大統領に!」という声がアメリカで広がったほどの影響を世界に与えました。このように『指輪物語』は約四半世紀にわたって、様々な影響を大衆文化に与えて来ました。この数年来のブームは、実はその幾つ目かのピークだったという訳です。
The Lord Of The Ring: The Return Of The Ring(Houghton Muffin)
この続きは、また別の機会にあらためて書きたいと思います。(*'_'*)お楽しみ♪
日本語版の役は、面白いですよね(^^)こういうのが不自然で苦手な人もいますけど、いまでは見られない訳し方なので、大好きです。
「じゅう」は映画ではムーマクとなっていましたね。
ナルニア国もトールキンに触発されて書かれたものだとか。
トールキンの中の世界はどれだけ広いんだろうと想像すると、圧倒されてしまいます。
by (2006-02-09 18:14)
何で消えちゃうんでしょう。。。ソネブロさん!!
by ゾウ (2006-02-09 18:26)
指輪物語・・・多分海外では、この表紙の挿し絵のアラン・リーだけでなく、
いろんな画家が挿し絵を描いているんじゃないでしょうか?
日本語訳は面白かったです。(長かったけど〜^^;)
私は、カイ・ニールセンとかアーサー・ラッカム、デュラック等の挿し絵が
結構好きで、ペーパームーンという雑誌を見ていた時にはじめて指輪物語を
知りました。あ〜、懐かしいな〜
by nakasama (2006-02-14 16:42)
アールグレイさんこんばんは、nice!頂き有り難うございます。m(_ _)m
by ちぇぶらさん (2006-04-30 20:57)
ぴろさんこんばんは、nice!頂き有り難うございます。m(_ _)m
by ちぇぶらさん (2006-04-30 20:58)
秋空さんこんばんは、nice!&コメント頂き有り難うございます。m(_ _)m ナルニアもゲドも、それぞれ独自の味わいがありますが、こういった後の名作と言われる作品を書いた作家がお手本にする、それくらいトールキンの影響は偉大だったという事ですね。トールキンはもともとオックスフォード大学の言語学や神話学の教授でしたので、専門的知識をフル稼働した上で、さらに豊かな想像力で『指輪物語』を執筆した結果、時代を超えてお手本とされるような、大変奥行きの深い作品を書く事が出来たのだと思います。(*'_'*)
by ちぇぶらさん (2006-05-01 19:15)
ゾウさんこんばんは、nice!&コメント頂き有り難うございます。m(_ _)m 沢山の方々からnice!とコメントを頂いていました。折角書いて頂いたのにと思いますと、消えてしまって本当に残念で申し訳ない気持で一杯です。ソネットさんには早くブログ運営の方を安定させて頂きたいと思います。
by ちぇぶらさん (2006-05-01 19:16)
nakasamaさんこんばんは、nice!&コメント頂き有り難うございます。
m(_ _)mアラン・リーが一番有名だと思いますが、ジョン・ハウなど他にも色々な作家の作品がありますね。PJはアラン・リーの絵をお手本にLOTRの世界を構築したようで、しばらく色々な国で原画や映画で使われた小道具等の展示会が行われていました。
by ちぇぶらさん (2006-05-01 19:17)
momoさんこんばんは、nice!頂き有り難うございます。m(_ _)m
by ちぇぶらさん (2006-05-01 19:17)
今しがた、wowowでの『ROTR』3部作 一挙放映を観て、復習に
伺いました!改めて 読み応えのある内容に 感銘いたしました。
残しておいて下さって 嬉しいデス♪ Thanks So Much!m(__)m
元『KANAchanMaMa』=『流星☆彡』より。。。(^_^)/
by 流星☆彡 (2007-02-25 22:31)