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白鳥に乗ったマーク・ボラン♪ [おきにいり]

 今朝危うく遅刻しそうになった、ちぇぶらです(涙)。この優雅さを見習いたい...。


http://www.allposters.com/ "Swan Screw Cap Fountain Pen Poster"

 ...という事で今日はこちら、白鳥(スワン)です。美しいものの代名詞と言ってもよい鳥、白鳥。その優美な姿は、さまざまなデザインにも使われています。これは万年筆メーカーのポスターです。白鳥と言えば、それに関連した様々な分野の作品があるのですが、今日はこちらをご紹介させて頂きます。私の中では、やっぱり白鳥(スワン)というとこの人なんですね...。


T. Rex

T. Rex

  • アーティスト: T. Rex
  • 出版社/メーカー: Polydor
  • 発売日: 2004/10/18
  • メディア: CD


 マーク・ボラン(Marc Bolan)はイギリスの伝説的バンド、T.Rexのリーダーです。当時モデルをやっていた事もあるマーク・ボランは、不思議な魅力と伝説に満ちた人でもあります。様々な紆余曲折を経て、1970年に自らのバンド名をT-Rex(=Tyrannosaurus Rex、あの恐竜のTレックスです)としてからの最初のアルバム"T.Rex"を発売しました。そのファースト・シングルの曲目が"Ride A White Swan(白いスワンに乗って)"です。T.Rexの黄金時代はここから始まります。当時の音楽・アート界でカリスマ的人気を誇ったデヴィッド・ボウイ(David Bowie)とも大変仲が良く、グラム・ロックの立役者の一人とも言える人でした。ちなみにグラムはGlamorousの略で、魔法のような幻惑的魅力をさす言葉です。その後に生まれたパンク・ムーヴメントのベースとなったカルチャーであり音楽でもありました。


The Essential Collection (25th Anniversary Edition)

The Essential Collection (25th Anniversary Edition)

  • アーティスト: Marc Bolan & T. Rex
  • 出版社/メーカー: Umtv
  • 発売日: 2002/09/16
  • メディア: CD


 マーク・ボランはあるインタビューで、自分は30才までは生きられないだろうと言っていたそうです。残念ながらその言葉の通り、1977年に彼は交通事故でこの世を去っています。29才の若さでした。以前、過去記事(「キャット・ピープル」)で書きましたが、デヴィッド・ボウイのアルバム、『Heros』の後半のインストメンタル3曲は、大変悲しみを帯びたサウンドで有名です。これは友人であったT.Rexのマーク・ボランの死を悼んで作られたとも言われています。現在も色あせないT.Rexサウンドは、その後さまざまな分野の作品で使われていますが、最近のリバイバル・ブームにも乗り、ある映画のサントラに使用されて大反響を受けました。今日はそのイギリス映画『リトルダンサー(Billy Elliot)』をご紹介させて頂きます。


映画『リトル・ダンサー(Billy Elliiot)』の、ビリーがジャンプしている有名なシーン♪

リトル・ダンサー

リトル・ダンサー

  • アーティスト: サントラ, T-レックス, スティーヴン・ゲイトリー, ザ・ジャム
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルインターナショナル
  • 発売日: 2000/12/20
  • メディア: CD


 こちらは、イギリス北部の炭坑の町を舞台に、バレエ・ダンサーを夢見る少年ビリーの成長を描いた映画『リトル・ダンサー(Billy Elliot)』のオリジナル・サントラ盤です。この映画で流れる音楽は、イギリスの70年代前後のロックが中心となっており、それがまた映画のストーリーにぴったりと合って、効果的に使われているのが大変印象的でした。私も大好きなザ・ジャム(The Jam)、ザ・スタイル・カウンシル(The Style Council)、ザ・クラッシュ(The Clash)などの曲が収録されていますが、このT.Rexからは先程ご紹介した"Ride A White Swan"を含む、堂々5曲が収録されています。どれも私の好きな曲ばかりです。この映画をきっかけにT.Rexやマーク・ボランを知ってファンになったという方々も多いようです。それぞれの曲やグループは、またこれからの記事でご紹介する事といたします。大好きなので必ずご紹介します(笑)。

チャイコフスキー: バレエ「白鳥の湖」 ~ アドヴェンチャーズ・イン・モーション・ピクチャーズ

チャイコフスキー: バレエ「白鳥の湖」 ~ アドヴェンチャーズ・イン・モーション・ピクチャーズ

  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2001/11/07
  • メディア: DVD


 ここではもう一つの大切な白鳥(スワン)をご紹介させて頂きます。この映画『リトル・ダンサー』のエンディングに登場したのが、鬼才マシュー・ボーン(Matthew Bourne)監督・振付・脚本によるバレエ『白鳥の湖(スワンレイク)』です。世界の名作といわれるこの作品の全編を、当時英国ロイヤル・バレエのプリンシパル(主役ダンサー)であったアダム・クーパーが大変魅力的に演じています。このバレエが話題になった理由の一つは、白鳥を演じるのが女性ではなく男性であるという事でした。女装した男性が踊る訳ではなく、男性版に翻案した作品なのですが、これが本当に素晴らしいアイディアだったことが作品を観るとよくわかります。力強くて美しく、また大変人間味のある白鳥を演じたアダム・クーパーは、この作品で世界的に大ブレイクしました。当初バレエであってバレエではないと言われたこの舞台も、96年にローレンス・オリヴィエ賞、99年にはトニー賞を受賞しています。演劇とエンターテイメントの要素がほどよく加わっており、バレエが苦手という方にもお勧めの作品です。


http://www.allposters.com/ "Swan Rush and Iris"(c)Jean Crane

 私はいつも映画『リトル・ダンサー』を観ていると、一番最後にアダム・クーパーが出てくるシーンで思わず涙が出そうになります、そこまでの主人公ビリーとその家族の来し方に思いを馳せるからなのですが、詳しくはぜひ映画をご覧下さい。きっと映画とバレエの両方の魅力に引き込まれる事、間違いなしです。『みにくいアヒルの子』とういお話もありますが、きっとあの美しい姿に成長して飛翔する白鳥(スワン)に、人間は様々な思いを託しているのでしょうね。魅惑的でカリスマ的な白鳥(スワン)。以前、マーク・ボランのお墓のある墓地(ザ・フーのキース・ムーンのお墓もあります)にお参りに行った事があるんですが、お墓とは別に彼と白鳥(スワン)をあしらったモニュメントが建てられています。あの白鳥を見ながら、彼の数奇な運命に思いを馳せました。

 明日もこれに関連したテーマでお届けしたいと思います。(*'_'*)お楽しみに♪
 


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ミヒャエル・エンデとカメ。 [おきにいり]

 今日はカメと一緒に遊んでいる、この方についてのお話です...。(*'_'*)


http://www.michaelende.de/ Michael Ende © by Caio Garrubba

 先週から特集したゾーヴァと同じミヒャエルという名前を持つドイツ人作家、ミヒャエル・エンデ(Michael Ende)の在りし日の姿です。彼のカメ好きは大変有名で、世界各地からのカメ・グッズのコレクションを持っている程でした。現在、エンデにゆかりの黒姫童話館にそのコレクション50点ほどが展示されています。カメの特に何にも役に立たないところ、太古の秘密を知っているかのようにほほえんでいるところが好きなのだそうです。
(黒姫童話館HP: http://www.avis.ne.jp/~dowakan/d_ende_top.html


こちらは大変有名な、日本語版の表紙です。モモの足もと、左側にカメがいます。

モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語

モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語

  • 作者: Michael Ende, ミヒャエル・エンデ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1976/09
  • メディア: 単行本


 エンデは1929年、ドイツ南部の町ガルミッシュで生まれました。お父さんはシュールレアリスムの画家エトガー・エンデです。エンデが亡くなってからもう10年が経ちます、早いものですね。もしお元気であったなら、日本にもゆかりの深かったエンデの事ですので、きっと『日本におけるドイツ年』には色々な活動をされていたと思うと大変残念です。最近私も大好きなファンタジー作品の映画化が続いていますが、それを見るたびにいつもエンデとその作品の事を思い出します。考えてみればエンデは、現在言われるスローライフやロハスな生活を、ずっと前に提唱し実践していた人でもありました。


愛蔵版 モモ

愛蔵版 モモ

  • 作者: ミヒャエル エンデ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/11
  • メディア: 単行本


 こちらの表紙にもやはりカメがいます。時間どろぼうと風変わりな女の子の物語であるこの『モモ』、白黒の挿絵もミヒャエル・エンデ本人が手がけています。世界中の余分な「時間」を独占しようとする、時間泥棒である「灰色の男たち」とモモの対決が中心のお話ですが、現代社会の風刺として読む事も出来るでしょう。小学校の高学年くらいから大人まで幅広い年代の人たちが楽しめるファンタジー小説だと思います。映画もよかったですが、当時は技術的な制約も多くありました。もしもエンデが今も生きていたなら、今頃は最新の特殊技術を生かした新しいモモの映画製作に取り組んでいたかもしれません、観てみたかった気がします。


こちらはドイツ語版の『モモ』の読書案内ノートの表紙です。やはり表紙にカメがいます。

Momo

Momo

  • 作者: Michael Ende
  • 出版社/メーカー: Thienemann Verlag, Sttgt.
  • 発売日: 2005/07
  • メディア: ハードカバー


 こちらは『モモ(MOMO)』のドイツ語版オリジナルです。彼の代表的作品の1つとして有名なこの『モモ』には、実は大変重要な役割を果たすカメが登場します。やはりモモの足もと、左側にカメがいますが、このカメの名前はカシオペイアと言います。時間どろぼう達との対決の中で、友を失ってゆくモモは、不思議なカメ・カシオペイアとともに盗まれた時間を人々 に取り戻すべく長い道のりを歩き出します。確かにカメはこのような役割を託されるのにふさわしい雰囲気のある動物だと思います。エンデがカメを好きな理由もここにあるのでしょう。


Tranquilla Trampeltreu die beharrliche Schildkroete.

Tranquilla Trampeltreu die beharrliche Schildkroete.

  • 作者: Michael Ende, Manfred Schlueter
  • 出版社/メーカー: Thienemann Verlag, Sttgt.
  • 発売日: 1982/01
  • メディア: ハードカバー


トランキラ・トランペルトロイ―がんばりやのかめ

トランキラ・トランペルトロイ―がんばりやのかめ

  • 作者: マンフレット シュリューター, ヴィルフリート ヒラー, ミヒャエル エンデ
  • 出版社/メーカー: ほるぷ出版
  • 発売日: 1987/01
  • メディア: 大型本


 実はエンデにはカメのお話がもう1冊あります。そのお話のドイツ語版オリジナルの表紙が上の絵で、カメがにっこり笑ってます。この本『トランキラ・トランペルトロイ がんばりやのかめ』はエンデの最初の絵本作品です。カメのトランキラ・トランペルトロイ(静かでゆっくりで誠実という意味)は、動物の王レオ28世の結婚式が、遠いところで行われることを聞き、これはぜひ出席しようと決めます。足のおそいトランキラは一歩一歩ゆっくりと、しかし決して立ちどまることなく歩いていきます。途中、ユニークな登場人物達に、間に合わないからやめたほうがいいと話しかけられますが、歩き続けるトランキラ。果たして結婚式に間に合う事が出来たでしょうか?日本語版の表紙も、オリジナル版の絵と同じになっています。


こちらはスペイン語版の『トランキラ・トランペルトロイ』の表紙の絵です。


 この翻訳の前にも『がんばりやのかめトランキラ』という翻訳が出ていますが、こちらは絶版となっているようですので、私が持っている絵本の表紙を掲載しておきます。絵にお国柄が出ていて面白いですね。こういった過去のエンデ作品のリストや資料は、それぞれ黒姫童話館のHPから見る事が出来ます。大変素敵なところにあり、松谷みよ子の展示も見る事が出来ますし、いわさきちひろにゆかりの建物も近くにあります。童話や民話が好きな方には大変お勧めの場所です。エンデの『モモ』に登場したカメ、カシオペイアの像も、黒姫の童話館で実際に見る事が出来ます。

だれでもない庭 ― エンデが遺した物語集 ―

だれでもない庭 ― エンデが遺した物語集 ―

  • 作者: ミヒャエル エンデ , Michael Ende
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2002/04/24
  • メディア: 単行本


 こちらはエンデ・ファンにはおすすめの本です。モモのカバーの挿絵をエンデ自身が書いているわけですが、エンデがどんなことを考えてそれを書いたか等の舞台裏について、エンデ自身が語っています。ジムボタンシリーズや『はてしない物語』など、素晴らしい作品を沢山残し、ファンタジー物語ブームを巻き起こしたエンデ。最近は『ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)』『ハリー・ポッター』シリーズの映画化の大成功、アメリカのテレビドラマでの『ゲド戦記』実写版放送、また去年はC.S.ルイスによる作品『ナルニア国物語』が待望の映画化もされました。『ゲド戦記』の映画化もファンの間では長くウワサされていますし、今年もこの流れは続きそうです。そんな今、あらためてエンデの作品をゆっくり読み返してみるのも良いかもしれません。そう、ゆっくりが大事です...カメのカシオペイアもきっとそう言うでしょうね。

 これからうちのカメ吉にゆっくりエサをあげたいと思います。(*'_'*)それではまた明日♪


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ゾーヴァさん、ごきげんよう♪ [おきにいり]

今日はドイツの画家、ミヒャエル・ゾーヴァ特集の締めくくりをさせて頂きます...。(*'_'*)


『Floating Humanity』(C)Michael Sowa

 東京・松屋銀座で開催されていた、ミヒャエル・ゾーヴァの展覧会、残念ながら昨日で終了致しました。昨日は大変な混み様だったそうです。その後色々調べたところ、去年から東京と京都、また静岡の大学や安曇野、新潟などでも講演会や小さな展覧会が行われていたそうですので、今後も全国で展覧会の機会を作って頂きたいなと思います。これでもう今年の運を使い果たしたかもしれませんが(苦笑)、会場でゾーヴァさんとお話し出来た事は、私にはとてもよい思い出になりました。


『Man Walking Elephant』(C)Michael Sowa

 今日はゾーヴァ特集の総集編として、今までまだ取り上げていないものを中心にお送りします。ゾーヴァは他にも様々な動物をテーマに取り上げています。とても全て取り上げる事は出来ませんが、今日はその一部を...。身近なイヌやネコ以外にも、日常の中に非日常を取り入れるのが得意なゾーヴァらしい、本当に様々な動物が取り上げられています。まずこれは子ゾウのおさんぽ、街角で急に出会ったらビックリですね。


『Zebras Everywhere』(C)Michael Sowa

 こちらもまた一見に、何気ない街角の風景に見えますが、よく見るといたるところにシマウマがいます。あっちにも、こっちにも...文字通りそこらじゅうにシマウマがいる街、そんな絵です。こういったシュールな作品は、ゾーヴァの最も得意とするところでしょう。普通あり得ないと思うのに、例えば今日街にいってこんな風景に出会ったらどうしよう...とも一瞬思わせる、そんなエネルギーのある作品です。


『Giraffe Lake』(C)Michael Sowa

こちらは『白鳥の湖』ならぬ、『キリンの湖』です。何気なく見ると、普通にどこかにありそうな湖の風景がなのですが、よく観てみると湖にはキリンの影が見えます。こういった、観る人をハッとさせる様な画風、ゾーヴァの特徴ですね。ゾーヴァの作品には、それ自体が単体で静物画として作成されたものと、絵本や小説のストーリーに合わせて作成されたものとあります。今日はまだご紹介していない日本語で入手可能なゾーヴァの作品をご紹介します。

キリンと暮らす、クジラと眠る

キリンと暮らす、クジラと眠る

  • 作者: ミヒャエル ゾーヴァ, アクセル ハッケ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1998/07
  • メディア: 単行本


 こちらは上記のキリンの絵が出てくる本です。ハッケ&ゾーヴァのゴールデンコンビによるもので、動物の博物館学とも言える様な大変楽しい本です。動物を飼っている方は、少なくとも一度はその動物の本音を聞いてみたいと思った事があると思います。この本はそんな気持ちをくすぐる、人と動物のパートナー学ともいえるような内容です。現実と空想のあいだを行ったり来たりしながら、生き物達を通して私達の日常が見えてくる、そんな作品です。

冷蔵庫との対話―アクセル・ハッケ傑作集

冷蔵庫との対話―アクセル・ハッケ傑作集

  • 作者: アクセル ハッケ
  • 出版社/メーカー: 三修社
  • 発売日: 2004/04
  • メディア: 単行本


 こちらはさきほどの子ゾウの散歩の絵が表紙になっています。『冷蔵庫との対話』という題名の、アクセル・ハッケの傑作集です。もともと『南ドイツ新聞』に連載されていたハッケの日常を記したコラムで、素敵なゾーヴァの絵が載っています。こちらも例えば冷蔵庫は夢を見るか?といった大変シュールで面白い内容が中心になっていて、やはり現実と想像のあいだを行き交う不思議な物語が展開されています。ハッケらしい素晴らしい作品です。

プラリネク―あるクリスマスの物語

プラリネク―あるクリスマスの物語

  • 作者: ミヒャエル ゾーヴァ, アクセル ハッケ
  • 出版社/メーカー: 三修社
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 単行本


 少し動物からは離れますが、ハッケ&ゾーヴァという事で続けてもう一冊、こちらはあるクリスマスの物語と言う副題がついた作品です。息子に父親が語るという形式が取られていて、クリスマスというテーマに相応しい、家族、恋人、友達といった人々との間の、愛に満ちた物語です。大事な物は見えないもの、というメッセージも込められていて、大人も子供も楽しめる、クリスマスのプレゼントにぴったりの本であるとも言えるでしょう。

思いがけない贈り物

思いがけない贈り物

  • 作者: ミヒャエル ゾーヴァ, エヴァ ヘラー
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1997/11
  • メディア: 単行本


 こちらもクリスマスにちなんだお話です。クリスマスイブにプレゼントを配っていたサンタクロース、やっと仕事を終えたと思ったところ、まだ手元に残った人形のプレゼント。この人形は誰のところへ?配達し忘れた人形を手に、サンタクロースは子供達の家を尋ねてまわります。この作品は、幸せは私達が考えてもいない時、思いがけない時にやってくるという事を教えてくれます。ゾーヴァの絵が秀逸です。これで2つ、今年のクリスマスプレゼントの候補がもう出来ましたね(笑)。

ゾーヴァの箱舟

ゾーヴァの箱舟

  • 作者: ミヒャエル ゾーヴァ
  • 出版社/メーカー: BL出版
  • 発売日: 1998/05
  • メディア: 大型本


 こちらは大変おすすめの「どうぶつの本」です。有名なノアの箱舟の物語をモチーフに、ゾーヴァが素晴らしい動物の絵を描いています。今回の展覧会にも絵が展示されていましたが、本当に細やかな筆致で描かれている動物達に感動しました。この本の中に、今までご紹介した沢山の動物達の絵も収録されています。ゾーヴァによる大変魅力的な動物を中心とした寓話画集ということが出来るでしょう。ゾーヴァのファンにはかかせない本ですね。

魔笛

魔笛

  • 作者: ミヒャエル ゾーヴァ, 那須田 淳
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/06
  • メディア: 大型本


 そして今回の展覧会でも沢山展示されていた作品がこちらです。モーツァルトのオペラ「魔笛」の絵本で、ゾーヴァの絵が大変魅力的です。ゾーヴァが舞台美術を手がけた1998年フランクフルト歌劇場での「魔笛」、その為にゾーヴァが描き下ろした、舞台美術と衣装の原画をもとに構成されています。どうしてもゾーヴァの絵というと動物のイメージが強いのだと思いますが、ゾーヴァの全体像を知る上でとても大事な本だと思います。オペラの傑作を「読む」絵本としても楽しめます。

 日本語に翻訳されていない本が、ゾーヴァの作品には実はまだ幾つかあります。これについてはまたいつかご紹介させて頂きます。今回の展覧会にはその原画が沢山来ていて、それを間近に観られたのでとても嬉しかったです。日本ではまだ知られていない作品という事もあり、見に来られていた方々も驚いてご覧になっている感じでした。今後の翻訳が待たれますね。ここに書くという事で、自分の持っているゾーヴァのドイツ語の本を久し振りに読んで、私もとても楽しいひと時が過ごせました。今日で一旦締めくくりと致しますが、これからも機会を見てゾーヴァ作品について書いて行きたいと思っています。(*'_'*)

 明日からはまた通常のどうぶつシリーズに戻ります。(*'_'*)お楽しみに♪


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ゾーヴァさん、それではまた♪ [おきにいり]

今週はドイツの画家、ミヒャエル・ゾーヴァの特別編をお送りしています...。(*'_'*)


『クマ/広告塔』(C)Michael Sowa

 東京・松屋銀座で開催されています、ミヒャエル・ゾーヴァの展覧会、今日が残念ながら最終日です。昨日は大変な混み様だったそうです。今日は平日ですが最終日ですので、ゾーヴァの作品を観に展覧会にお出かけになる方々が、きっと沢山いらっしゃるのではないでしょうか。


『クマのお出かけ』(C)Michael Sowa

 今日はゾーヴァがよく描く題材のうち、クマをテーマにお送りします。特にドイツ語圏では、クマには特別な意味合いがあります。クマを紋章にしている州も沢山ありますし、何より大きな森が広く存在する土地柄なので、森の住人であるクマとの長いおつきあいの歴史があるんです。


『テーブルのクマ』(C)Michael Sowa

 ゾーヴァとクマといったら絶対はずせない、今日はこの本『クマの名前は日曜日』を中心にご紹介させて頂きます。(*'_'*)ある日、少年の元にやって来た大きなクマのぬいぐるみ。少年はこのクマをすっかり大好きになり、“日曜日(Sontag)”という名前を付けます。ですが“日曜日”はまったく口もきいてくれないし、一緒に食事もしてくれません。


『洗濯中』(C)Michael Sowa

 ボクの事を本当に好きなのかな、ボクのことをどう思っているんだろう...。


『クマと友達』(C)Michael Sowa

 そんなある日、少年は夢の中からクマの国に行く事になります。
 

『おもちゃ屋』(C)Michael Sowa

 そこではおもちゃ屋さんもクマさん達がやっています。箱の中には物語のヒントが...。


『浮き氷』(C)Michael Sowa

 この不思議な場所で、少年は様々な経験をしていきます。コミュニケーションというものについて、色々と考えさせられるお話です。大人も子供も一緒に楽しめる本ではないでしょうか。クマのぬいぐるみにこめられた思い...私達の中にも、どこかに残っている記憶ですね。ちなみにこのシロクマさん達が嬉しそうになめている、アイスキャンディーのかたちにご注目ください...(苦笑)。


『バスルームのクマ』(C)Michael Sowa

 この少年とクマとの不思議な物語、実はテディベア誕生100年記念として出版されたものです。ここでもゾーヴァの絵が、この本の魅力を存分に引き立てています。ハッケとゾーヴァのゴールデン・コンビの作品の中でも、特におすすめの作品だと思います。

クマの名前は日曜日

クマの名前は日曜日

  • 作者: ミヒャエル ゾーヴァ, アクセル ハッケ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2002/06
  • メディア: 単行本


  そして少年とクマは、この後どうなっていくのでしょうか...。続きは是非こちらの本をどうぞ。ハッケ&ゾーヴァのコンビネーションで生まれる、ステキな不思議ワールドをご堪能下さい。クマ好きの方にはもちろん、そうでない方にもおすすめです。

Ein Baer namens Sonntag.

Ein Baer namens Sonntag.

  • 作者: Axel Hacke, Michael Sowa
  • 出版社/メーカー: A. Kunstmann Vlg., M.
  • 発売日: 2001/09
  • メディア: ハードカバー


 こちらはドイツ語の原書のほうです。この作品、発想の転換というんでしょうか、なかなか素晴らしいアイディアだと思います。記事を書きながら久し振りに読んでみると、思わず時が過ぎるのを忘れそうな感じですね。(*'_'*)

 明日は、今週のゾーヴァ特集の締めくくりが登場です。(*'_'*)お楽しみに♪


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ゾーヴァさん、ありがとう♪ [おきにいり]

今週はドイツの画家、ミヒャエル・ゾーヴァの特別編をお送りしています...。(*'_'*)


『自転車に乗るウサギ』Bunny On Bike(C)Michael Sowa

 ミヒャエル・ゾーヴァの展覧会が、東京・松屋銀座で23日まで開催されています。昨日は東京都内は8年振りの大雪でしたが、今日は朝から天気がいい様です。平日も大盛況でしたので、この週末は沢山の方がゾーヴァの作品を観に行かれるのではないでしょうか


『うさぎの時間』(C)Michael Sowa

 今日はゾーヴァがよく描く題材のうち、ウサギをテーマにお送りします。欧米圏では、ウサギは豊穣のシンボルとして考えらているようです。ブタと同様に身近な生活文化の中にあった動物、ウサギ。今日はゾーヴァの描く、そんなウサギさん達の絵をご紹介します。(*'_'*) 


『イースターうさぎ』Easter Bunny(C)Michael Sowa

 まず今日最初にご紹介するこのウサギ、ゾーヴァのウサギとして大変有名な、イースターバニーの絵です。ご覧になるとよくわかりますが、このとてつもなく巨大なウサギが街中で人々を追いかけるというシーンがとても有名になりました。ユーモラスでもあり少しコワい感じのこの巨大ウサギ、現在はゾーヴァの有名な絵の一つとなっています。今日はまずこれに関する映画のご紹介から始めます。


『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』ガイド。後ろに巨大なウサギの姿が...。
Wallace & Gromit Curse Of The Were-Rabbit
: The Essential Guide (Dk Essential Guides) Glenn Dakin (著)

ウォレスとグルミット チーズ・ホリデー

ウォレスとグルミット チーズ・ホリデー

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2004/07/28
  • メディア: DVD


 イギリス生まれのクレイ(粘土)・アニメーション“ウォレスとグルミット”は、1986年に制作された短編映画(『チーズ・ホリデー』)からスタートしました。この大変な人気シリーズはイギリスBBC放送では視聴率40%を越える人気番組となり、世界20カ国で翻訳され、日本でもその人気が高まっています。ウォレスとグルミットのシリーズは既に日本語版でもDVD化されていますので、もしご興味がおありの方は是非ご覧になって下さい、大変クオリティの高いクレイ・アニメーションをご覧になる事が出来ます。そして今回、ドリームワークスとの協力によって、生誕20周年を記念する今年、日本でいよいよ公開されます。私もずっとファンなのですが、スタートしてからもう20年も経つのが信じられない様な気持ちですし、いよいよ劇場用長編映画化されたと思うと感無量です。

ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!DVDゲーム

ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!DVDゲーム

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2006/03/03
  • メディア: DVD


 監督は『ウォレスとグルミット』の生みの親でもある巨匠ニック・パーク監督と長編初監督のスティーヴ・ボックス。制作はクレイ・アニメーションで大変有名なアードマン・アニメーションズ。完成まで5年を要した、この特別なクレイ・アートの傑作ですが、資料倉庫の火事によって使われた人形や小道具等が消失するという、大変残念な事件が起きた事も記憶に新しいです。そのような悲劇を乗り越えて公開されるこの作品、声優陣にもおなじみのピーター・サリスにくわえ、何とあのレイフ・ファインズとヘレナ・ボナム・カーターまで出演するという豪華作品に仕上がっています。日本の映画公開はこれからですので、DVDが発売されるまで待ちきれない方は、こちらのDVDゲームをお楽しみ下さい。


http://www.wandg.jp/teaser/index.html
『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』2006年3月18日公開

  この作品の監督であるニック・パークが、実はゾーヴァの巨大ウサギの大ファンでした。そこでこの映画の美術への参画をゾーヴァに依頼、こうしてゾーヴァのあの有名な巨大ウサギが、ウォレスとグルミットに登場する事となりました。巨大野菜コンテストまであと数日、突然この巨大ウサギが出現し、野菜畑が大変な騒ぎになるという設定です。おなじみのでこぼこコンビ、発明家ウォレスと忠犬グルミットがこの事件を解決出来るか?というストーリーですが、登場するウサギさん達がなかなかカワイイです。まったく悪気なく、巨大野菜を狙って食べ尽くすウサギさん達(害獣扱いされるのがちょっとかわいそう...)と、このウォレスとグルミット(害獣駆除隊としてウサギ捕獲に乗り出します)との攻防もこの映画の焦点の一つとなっています。今年のアカデミー賞アニメーション部門の最有力候補との呼び声も高いこの作品、日本では春休みにあわせて公開されます、楽しみですね。


『息子と父』Father & Son(C)Michael Sowa
 このように、アーティストにインスピレーションを与えるアーティストでもあるゾーヴァの、今日はウサギの作品を続けてご紹介させて頂きます。まずゾーヴァとウサギといえば、何と言ってもこの作品『エスターハージー王子の冒険』をあげることが出来るでしょう。


『街のうさぎ』Street Scene(C)Michael Sowa
 栄華を誇るウサギ(ハージー)の一族、エスターハージー伯爵家。そのエスターハージー伯爵家に存亡の危機が訪れるところから、この作品はスタートします。そこでエスターハージー王子はお嫁さんを探しに旅に出るのです。


『汽車の中で』Bunny On Train(C)Michael Sowa
 このシーンはエスターハージ王子が汽車に乗っているところですが、とても有名な絵で、今までの記事でもご紹介の映画『アメリ』にも使用されています。


『イースターのうさぎが来る』Easter Bunny(C)Michael Sowa
 この作品は、ベルリンの壁の崩壊など90年代のドイツが舞台です。頼りないウサギの王子が旅をする事によって、逞しく成長していく姿を描いています。


『ショーウィンドーのうさぎ』Bunny Tricks(C)Michael Sowa
 そこには人間の世界のずるさや醜さなども描かれていて、当時のドイツの世相への風刺も見られますが、純粋に心温まる物語として、大人も子供も楽しめる絵本だと思います。


『トラうさぎ』Tigerhase(Bunny Dressing)(C)Michael Sowa
 一見小さくて頼りなさそうな王子ですが、これがなかなかへこたれません。旅の中で、ちっちゃなウサギである王子にも数々の災難がふりかかりますが、彼はそれに立ち向かっていきます。そういう意味では人間の世界もウサギの世界も同じだと、この作品は問いかけているのかもしれません。


『通りのうさぎ』Street Rabbit(C)Michael Sowa
 人間である私達にも、日々の暮らしの中で様々な面倒や困難が生じてきます。この作品は、そんな中毎日を生きていく全ての人へのエールが込められているのではないでしょうか。ここでもゾーヴァの絵が、この素晴らしい物語の世界観と見事にマッチしていて、この本の魅力を引き立てています。

エスターハージー王子の冒険

エスターハージー王子の冒険

  • 作者: ミヒャエル ゾーヴァ, イレーネ ディーシェ, ハンス・マグヌス エンツェンスベルガー
  • 出版社/メーカー: 評論社
  • 発売日: 1999/10
  • メディア: 単行本


  そして王子の運命は...。続きは是非こちらの本をお読み下さい。ゾーヴァの絵と共に、ディーシェとエンツェンスベルガーの物語の世界に魅了される事間違いなしです。ウサギ好きの方にはもちろん、そうでない方にもおすすめです。

Esterhazy. Eine Hasengeschichte.

Esterhazy. Eine Hasengeschichte.

  • 作者: Irene Dische, Hans Magnus Enzensberger, Michael Sowa
  • 出版社/メーカー: Sauerlaender, Ffm.
  • メディア: ペーパーバック


 こちらはドイツ語の原書のほうです。ハードカバーとペーパーバックの両方があります。私はベルリンの壁崩壊にちなんだ、エスターハージー王子の言葉、「壊すなら、壁なんて最初から作らなきゃいいのにね」が大好きです。

 明日はゾーヴァがやはり好んで描くクマをご紹介します。(*'_'*)それではまた明日♪


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ゾーヴァさん、ようこそ♪ [おきにいり]

今日も引き続き、ドイツの画家ミヒャエル・ゾーヴァの特別編をお送りします...。(*'_'*)

『Erika(エーリカ)』表紙より
 ミヒャエル・ゾーヴァの展覧会が、東京・松屋銀座で23日まで開催されています。先日行って参りましたが、平日でもかなり混んでいました。あの大盛況を考えると、この週末はかなり混みそうですね。また現在、東京都区内はおそらく今シーズン初の雪が降っています。天候が悪いのはとても残念ですね。ゾーヴァ展にお出かけの方は足下にお気をつけて。


『衛星ブタ』Trabantenschwein(Satellite Pig)(C)Michael Sowa

 今日はゾーヴァがよく描く題材のうち、ブタをテーマにお送りします。欧米圏では、ブタは悪い意味で使われる事が多い反面、幸運のお守りとして考えられたりします。それだけ家畜としてのブタが身近な生活文化の中にあったという事なのだと思います。今日はゾーヴァの描く、そんなブタさん達の絵をご紹介します。(*'_'*) 

絵画の一部です。
『じゃれあう子ブタ』(C)Michael Sowa

 これは『ハイルブロンの少女ケートヒェン』という作品の一部です。中世のロマンチックな寓話的ラブストーリーと同名の戯曲をモチーフに、昔の食卓の風景を描いた絵なのですが、左下にこの毛糸玉でじゃれあうコブタたちがいます。通常なら子猫を配置するような場面で、わざとコブタに置き換えたのだそうです。ゾーヴァの遊び心が垣間みられます。こちらの全体の絵は今回の展覧会にも展示されています。


『ケーラーのブタ』Kohlers Schwein(Diving Pig)(C)Michael Sowa

 こちらは大変有名な、湖に飛び込むブタさんの絵です。アメリカで実際にあったお話を元に描かれました。湖に自分から走っていってはジャンプして飛び込むブタの事が、当時大きなニュースになっていたそうで、そのお話に着想を得たそうです。素晴らしいジャンプの姿勢ですね...。実はこの作品にも3つのバリエーションがあります。このあたりもどんどん上塗りしたり書き加えたりする、彼の癖がよく表れているエピソードです。


『渡り豚がやってきた』Pig On High Wire(C)Michael Sowa

 こちらも一度見たら忘れられない絵ですね、私はこの絵と、前回の記事で書いた『空から降って来たマイスター』が大好きで、部屋にしばらく飾っていた記憶があります。本来であれば、電線や木にとまっているのは、翼を持った渡り鳥達のはずなのですが、そこにブタがとまっているという、何ともシュールな絵です。日常の中の非日常を描く、ゾーヴァらしい作風だと思います。


『ようこそ』Wilkommen(Welcome)(C)MIchael Sowa

 こちらはコウノトリならぬ、ブタさんに連れられてやってくる赤ちゃんの様子です。月夜の道をせっせと走る、ブタさんの姿が印象的です。このあたりブタが大変ユーモラスなキャラクターとして描かれていると思います。ブタはとてもキレイ好きで賢い動物といいます。ブタについての悪いイメージを一番迷惑に思っているのは、ブタさん達自身かもしれません...。


『エーリカ』より  Erika(C)Michael Sowa

 これまでにも本当に沢山のブタさん達を描いて来たゾーヴァが、その決定版とも言える作品を発表したのは2002年(Sanssouci Verlag版、Rowohlt Taschenbuch Verlag版は2004年)の事です。このエルケ・ハイデンライヒ(Elke Heidenreich)との作品、『エーリカ』(Erika)の主人公は、ベティという女性と、そしてエーリカという名前の大きなブタのぬいぐるみです。


『エーリカ』より  Erika(C)Michael Sowa

 人間は人生の中で、時として自分の本来の居場所がどこなのか、わからなくなる時があります。クリスマス休暇を前にベティはそのような気分になっていました。それはまるで、働き詰めた為に生活するという事を忘れてしまったかのようでした。そんなとき、かつて人生を共にしたパートナーのフランツがクリスマスにこちらへ来ないかと、今住んでいるスイスのルガーノへ誘います。


『エーリカ』より  Erika(C)Michael Sowa

 そこにあらわれたのがエーリカという名前の、大きなブタのぬいぐるみでした。ベティはドイツを出る前にデパートで大きな豚のぬいぐるみを見つけて思わず買ってしまい、それにエーリカという名前をつけて、一緒に旅をする事にします。


『エーリカ』より  Erika(C)Michael Sowa

 それが隠れた意味によるものであっても、生きる事にもう一度意味を与えてくれる...エーリカとの出会いがそれを可能にしていきます。作家であるエルケ・ハイデンライヒは、人生の一つの側面を、大変美しい物語に綴りあげました。この物語を彩るのが、ミヒャエル・ゾーヴァによるエーリカの絵です。
 

『エーリカ』より  Erika(C)Michael Sowa

  ミヒャエル・ゾーヴァの描くエーリカは、大変個性的でおおらなか印象があります。一度見たら忘れられない様なそのキャラクターは、いかにもゾーヴァらしい雰囲気に満ちあふれています。一見、決して明るくはないトーンの中に、見る人を一瞬で微笑ませるユーモア...ゾーヴァの絵が心を和ませると言われるのは、こういったコントラストによるものなのかもしれません。


『エーリカ』より  Erika(C)Michael Sowa

  このシーンでは、テーブルの上でエーリカが枕になってます、不思議ですね。ブタという存在、またエーリカはぬいぐるみでもありますから、それぞれに人間が寄せるイメージを、この絵が象徴的に表しているのかもしれません。確かに何だかふかふかして気持ち良さそうですね...。この後にベティとエーリカはどうなっていくのでしょうか...続きは是非こちらの本を読んでみてください。

エーリカ あるいは生きることの隠れた意味

エーリカ あるいは生きることの隠れた意味

  • 作者: ミヒャエル ゾーヴァ, エルケ ハイデンライヒ
  • 出版社/メーカー: 三修社
  • 発売日: 2003/11
  • メディア: 単行本


 日本語訳が既に出ていますので、ぜひ『エーリカ』の世界をご堪能ください。こちらの表紙は、Sanssouci Verlag版の表紙を使っている様です。

Erika. Oder der verborgene Sinn des Lebens.

Erika. Oder der verborgene Sinn des Lebens.

  • 作者: Elke Heidenreich, Michael Sowa
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2004/10
  • メディア: Perfect


 こちらはドイツ語の原書のほうです、表紙のエーリカがとてもかわいいですね。ちなみにゾーヴァの最新作には、2004年に出版された2冊があります。翻訳が待たれますね。

 明日はゾーヴァがやはり好んで描くウサギをご紹介します。(*'_'*)それではまた明日♪


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ゾーヴァさん、こんにちは♪ [おきにいり]

 今日からしばらく特別編をお送りさせて頂きます...。(*'_'*)

 昨日ご紹介のミヒャエル・ゾーヴァ展、さっそく行って参りました。現在来日中の、ドイツの画家ミヒャエル・ゾーヴァ氏。彼の展覧会が、東京・松屋銀座で23日まで開催されます。18日と19日の両日、2回のみゾーヴァさんのサイン会も行われていたようですが、それぞれ1回目で整理券100人分がなくなってしまうという盛況ぶりでした。

映画『アメリ』に登場しました。
『ヘルベルト』 Herbert(C)Michael Sowa (この絵にも色々なバージョンがあります)

2日目の午後でしたので、私はもう間に合わないのを覚悟して行ったのですが、何と偶然会場内を歩いていたゾーヴァ氏に遭遇、ドイツ語で一緒にお話した後に、気さくにサインと握手をして下さいました。とても感激しました。頂いたサインは、私の宝物です。今日は会場にあった絵、またなかったけれど関連の絵を幾つか、ご紹介させて頂きます。(*'_'*)

 部屋がパネルで再現されてます。
http://www.allposters.com/ "The Fabulous Destiny of Amelie Poulain"

 先日このブログでご紹介しました『治療中の犬』『スープ豚』(スープ豚には3種類あり、3種類とも展示されてました)や『ご主人さまの声』、そして窓の外をシュールに飛ぶペンギンの絵『2月』なども展示されていました。大きさは実際にイメージしていたものより大きかったり小さかったり。ありふれた風景の中に不思議な光景が描かれるゾーヴァ独特の作品が130点あまり展示されています。

映画『アメリ』に登場しました。
『真珠の首飾りをした鳥』Vogel(Filmgans, Fowl With Pearls)(C)Michael Sowa

その中には映画『アメリ』に登場する絵画や、豚が傘を支えるデザインのランプなどもあり、立体的な展示となっています。会場ではダイジェスト宣伝版のアメリの映像と音楽が流れ、パネルでアメリの部屋が再現されていました。映画『アメリ』の1シーン、疲れて眠るアメリの枕元で、『治療中の犬』の絵と『ブタのランプ』、そしてこの『真珠の首飾りをした鳥』が心配そうに話し合っている場面が思い起こされました。(*'_'*)


『病気のワニ』 Kranker Krokodil(C)Michael Sowa

 以下、アメリに登場した絵をご紹介します。まず、今回の展覧会には、アメリが子供時代の空想の中で友達にしていたこの『病気のワニ』さんの絵も来ていました。そして映画の中でアメリのトイレにかかっていた、2枚のブタさんたちの絵の原画も来ていました。


『ハイウェイ・ピッグ(高速豚)』Autobahnsau(Highway Pig)(C)Michael Sowa

 アメリがトイレの中で色々と作戦を立てるシーンに出てくる、まずこれは高速道路を走るブタの絵です。疾走するブタさん...そう考えるだけで微笑ましくなってきますね。ゾーヴァにはブタの絵が大変多いのですが、これ以外のブタさん関連の絵は、また明日ご紹介させて頂きます。


『降って来たマイスター』Meister Vom Himmel(C)Michael Sowa

 こちらもやはり、アメリのトイレの反対側の壁に飾ってあった絵、『降って来たマイスター』です。これも大変印象的な絵ですね。私が最初にゾーヴァの絵を見たのはもう15年以上前の事で、それ以来ずっとゾーヴァの絵のファンでした。またこのあたりの作品はもう10年以上前に発表された、ファンの間では大変有名な絵でしたので、こういった絵がアメリのトイレにかかっているのを観た時は、おもわずくすっと笑ってしまったものです。


『熊(散歩)』Maedchen und Baer(The Bear)(C)Michael Sowa

 そしてこちらは、アメリがニノのメッセージを挟んで眺めていた絵です。この絵はもともとは、子供の頃に持っていたクマのぬいぐるみについての絵で、自分も成長したからきっとクマのぬいぐるみも成長したに違いないというファンタジーから生まれた絵です。それぞれの絵には元々ストーリーがあり、それがアメリのお話の流れにフィットするように配置してあるのが素晴らしいと思いました。ゾーヴァの絵は、私達の中に色々なイメージを喚起しますね。


『胸ポケットに入った王様(小さな王様)』Koenig Dezember(C)Michael Sowa

 先日ご紹介の『ちいさなちいさな王様』の原画も何枚もありました。他にも様々なゾーヴァの絵が飾ってあります。日本ではまだおそらく知られていない作品のかずかずを目の前に観る事が出来ます。なかなか全体をご紹介するのは難しいのですが、私の様な『アメリ』以前からのファンにも、『アメリ』以降のファンにも、また今回初めて見てファンになった方にも、すべての方々に楽しめる展覧会だと思います。

ミヒャエル・ゾーヴァの世界

ミヒャエル・ゾーヴァの世界

  • 作者: ミヒャエル・ゾーヴァ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/06/04
  • メディア: 大型本


 ゾーヴァ氏の来日は 『日本におけるドイツ年』キャンペーンの一環として実現しました。今年の1月(東京)と6月(京都)に引き続いて、今回が3度目の来日となります。展覧会ではこちらの画集も販売していました。日本語版がようやく出ましたね。展覧会が終わる23日まで、私もこのブログでしばらく「どうぶつシリーズ」の特別編としてゾーヴァをご紹介させて頂こうと思っています、お楽しみに。(*'_'*)それではまた明日♪


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ゾーヴァさん、いらっしゃい♪ [おきにいり]

 今日はちょっと特別編をお送りさせて頂きます...。(*'_'*)


 ミヒャエル・ゾーヴァ氏(2006年1月18日 読売新聞)

 このところご紹介のゾーヴァさんですが、現在日本に来ていらっしゃいます。絵本や映画美術で活躍するドイツの画家ミヒャエル・ゾーヴァ氏の展覧会が、東京・松屋銀座で18日(水)に始まりました。この方がミヒャエル・ゾーヴァさんです。あのかわいくてシュールな、そして時にブラックジョークを交えた絵を描く方だと...確かに、何となく雰囲気があるような気がします。ちょっとユーモラスな感じのある方ですね...。


「ご主人の声」Their master's voice(C)1994 MichaelSowa

 こちらは先日ご紹介の絵ですが、こちらの方がもうちょっと大きめなので、奥の席までよく見えますね。観に来た中で取材を受けた東京の20代の女性は、「高校生の頃に初めてゾーヴァ氏の作品に触れ、『ちいさなちいさな王様』という絵本でさらに興味を持った。現実を細かに描いた風景の中に、現実にはありえない光景を発見する楽しみを見出した」と話していたそうです、まったくその通りだと思いますね。


「スープ豚」 Suppenschwein(C)1987MichaelSowa

 テーブルの上に置かれたスープ皿のスープを泳ぎまわり、クロスに飛び散らしながら不敵に笑う豚の絵など、ありふれた風景の中におかしな光景が描かれるゾーヴァの作品が130点あまり展示されています。映画『アメリ』に登場する豚が傘を支えるデザインのランプもあり、立体的な展示となっています。今日、19日(木)は、午前11時と午後3時の2回、ミヒャエル・ゾーヴァ氏のサイン会が予定されているそうです、行きたいなあ...。(*'_'*)

 

ちいさなちいさな王様

ちいさなちいさな王様

  • 作者: ミヒャエル ゾーヴァ, アクセル ハッケ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1996/10
  • メディア: 単行本


 ちなみにこちらが『ちいさなちいさな王様』です、私も愛読してました。ドイツのベストセラー小説で、とっても小さな王様が登場します。ある日、ふらりと部屋にあらわれた、人差し指サイズの気まぐれな小さな王様と、ごく普通の少年とのやり取りが繰り広げられるのですが、これが何ともユーモラスでまたすこしモノ悲しい。昔は大きかったのにどんどん小さくなって行く王様に、私達の子供時代が投影出来るように思います。大人にもおすすめの、宝物のような作品です。

 次回もまた楽しい動物編を続けたいと思います、お楽しみに。(*'_'*)それではまた明日♪
 
(*今日、ゾーヴァ展に行ってまいりました、明日御報告をさせて頂きます♪) (*'_'*)


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ペンギンの憂鬱。 [おきにいり]

 先日、映画『アメリ』に登場したゾーヴァの絵をご紹介しました...。(*'_'*)
http://blog.so-net.ne.jp/chebra-san/2006-01-11


 http://www.allposters.com/ "February"(Michael Sowa)

 これは、そのミヒャエル・ゾーヴァ(Michael Sowa, 1945-)によるペンギンの作品です。窓の外をペンギンが飛んでます。それを窓から眺めるネコとその飼い主。このどこかシュールな画風、昨日ご紹介のペンギン・カフェ・オーケストラにも通じる部分がありますね。ペンギンはとてもシュールな作風に似合うモチーフの様な気がします。また二本脚で立って歩き、どことなく燕尾服を着ている様な格好...こういったところも私達から見て愛着を感じる部分なのでしょう。ペンギンと一緒に暮らしたらどんな風になるかな、なんて考えたり...。今日はそういった小説を一つご紹介させて頂きます。


ペンギンの憂鬱

ペンギンの憂鬱

  • 作者: アンドレイ・クルコフ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/09/29
  • メディア: 単行本


 アンドレイ・クルコフはウクライナ出身の作家です。1961年にレニングラード(現サンクト・ペテルブルグ)に生まれ、3歳のとき家族でキエフに移っています。キエフ外国語大学を卒業後、出版社での勤務、兵役等を経て、小説やシナリオ、児童書などを書いていました。長らく日の目を見なかったこのロシア語による作家クルコフの名を一躍有名にしたのが、本書『ペンギンの憂鬱』(1996年)です。この本は日本語を含む約20ヵ国語に訳され、国際的なベストセラーとなりました。実は表紙の雰囲気とはまったく異なり、本書は子供向けの本ではありません。むしろミステリーのようなストーリー展開で、明確な結論がないまま物語が終結を迎える不条理劇となっています。ウクライナが舞台のこの小説は、ウクライナによる『オレンジ革命』の暗部を象徴する物語であるとも言われています。この小説に登場するペンギンのミーシャが、実はとても象徴的な意味合いを持つ重要なキャラクターとして描写されています。

 売れない小説家ヴィクトルは、閉鎖された動物園から引き取った憂鬱症のペンギン、ミーシャと一緒に暮らしています。そんなヴィクトルにある日新聞社から、まだ死んでもいない人物の追悼記事を書くと言う奇妙な仕事の依頼が来ます。その仕事の裏に忍び寄る暗い影に、ヴィクトルとペンギンのミーシャの生活が徐々に巻き込まれていきます。筆者は本書の中で、ペンギンはいつも集団で行動する動物で、一羽だけ集団からはぐれると、どうして生きたらいいのか途方に暮れてしまうと書き、それを旧ソ連時代に生きたウクライナの庶民の生活に比喩的に照らし合わせています。ペンギンのミーシャのように、動物園の檻から自由になっても、その自由な社会で生きて行く事が出来ないという、出口のないウクライナの社会情勢を、筆者はこの物語に託しています。自分を偽らないと社会でうまく生きて行けない...そのような状況として読めば、これは私達を取り巻く社会の状況とも照らし合わせて考えられるのかもしれません。


http://www.allposters.com/ "At The Opera"(Quinton Buchholz)
 こんな風にペンギンは、人間社会の比喩に用いられる事が多いです。


http://www.allposters.com/ "Abandon Ship"(Quint Buchholz)
 ペンギンという動物自体のデザイン性の良さにもその理由はありますが...。


http://www.allposters.com/ "Penguins Day Out"(Werner Bischof)
 ペンギンが群れによって行動する習性を持っているのと同時に...。


http://www.allposters.com/ "Penguin Show Off"
 ...1匹でも大変個性的な存在であるという事、

 このあたりが、私達がペンギンに共感する理由なのかも知れません...。(*'_'*)

Preludes, Airs & Yodels

Preludes, Airs & Yodels

  • アーティスト: The Penguin Cafe Orchestra
  • 出版社/メーカー: Ambient
  • 発売日: 1996/07/22
  • メディア: CD


 最後にもう一枚、昨日ご紹介のペンギン・カフェ・オーケストラの中からおすすめのアルバムを。(*'_'*)サイモン・ジェフィーズ率いるペンギン・カフェ・オーケストラによるこのアルバムは、1976年からの作品19曲のコンピレーションです。この中には「Telephone & Rubber Band」や「Music for a Found Harmonium」(ケルティック・フォーク・グループ、パトリック・ストリートの演奏による別ヴァージョンでも聴く事が出来ます)等の、素晴らしい構築美を持つ楽曲の数々が含まれています。またこの中に収録されている、Air a danserやYodel等も大変有名で美しい楽曲です。初めてペンギン・カフェ・オーケストラを聴く方には入門編に最適なアルバムです。また前回ご紹介のThe Penguin Cafe Orchestraに収録されている「Walk Don't Run(走らず歩け)」もおすすめの一曲です♪

 走らず歩け。今日はそんな気持ちで一日を過ごします。(*'_'*)それではまた明日♪


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ペンギン・カフェ・オーケストラ [おきにいり]

 今日は以前の記事で少し書いた、ペンギン・カフェ・オーケストラについて...。(*'_'*)
 http://blog.so-net.ne.jp/chebra-san/2005-07-19-5


Penguin Cafe Orchestra

Penguin Cafe Orchestra

  • アーティスト: The Penguin Cafe Orchestra
  • 出版社/メーカー: EG
  • 発売日: 1990/08/31
  • メディア: CD


 ペンギン・カフェ・オーケストラ(The Penguin Cafe Orchestra)は、奇才サイモン・ジェフィーズ(Simon Jeffes)によって1976年に結成された、ミニマル・サロン・ミュージックグループです。当時のいわゆる環境音楽ブームに乗って、さまざまなCMやBGMにその音楽が用いられました。ですから皆さんもおそらく既にかれらの作品のどれかを耳にされていると思います。半人半ペンギン(!)のジャケットと共に、当時日本でも広く人気を誇りました。 現代音楽とリンクするミニマルミュージックであると同時に、サロンミュージックの要素も兼ね備えており、そして実は沢山の民族音楽のエッセンスを含んでいるというその音楽スタイルは、イージーリスニングにも適するポップなものでした。ますますの活躍が期待されましたが、リーダーであるサイモン・ジェフィーズは、脳腫瘍で残念ながら1997年に48才の若さで死去しています。その為、彼の手による新曲は発表出来なくなりましたが、レーベルとしてのペンギン・カフェ・オーケストラは現在も幅広い活動を続けています。
 

Music From the Penguin Cafe

Music From the Penguin Cafe

  • アーティスト: The Penguin Cafe Orchestra
  • 出版社/メーカー: Plan 9/Caroline
  • 発売日: 1990/08/31
  • メディア: CD


 何故このグループ名「ペンギン・カフェ・オーケストラ」が付けられたのかについては諸説ある様です。まず一つ目は1972年6月に、サイモン・ジェフィーズが腐った魚を食べてしまい、その時の悪夢に出てきた“ペンギン・カフェ”と言う名前に由来しているという説。そしてもう一つは、1972年、やはりサイモン・ジェフィーズが、南フランスの海岸で日光浴しているときに浮んだという説です。また彼はそれと同じ年に京都の友人のところに遊びに来ており、その時に"Penguin Cafe Single"という曲を書き上げています。そして1976年、スティーブ・ナイの紹介によってブライアン・イーノと知り合い、イーノのレーベルであるオブスキュアレーベルから『ようこそペンギン・カフェへ(Music From The Penguin Cafe)』を発表しました。当時、このアルバムジャケットが大変話題になりました。現在でもかなりインパクトがあると思いますよ(笑)。今で言えば、やっぱり「キモカワイイ」魅力というんでしょうか...。(*'_'*)

Simon Jeffes: Piano Music

Simon Jeffes: Piano Music

  • アーティスト: Helen Liebmann, Simon Jeffes, Ian Maidman, Henry Roche, Simon Jeffes, Geoffrey Richardson, Bob Loveday, Peter McGowan, Grace Davidson
  • 出版社/メーカー: Zopf
  • 発売日: 2003/03/18
  • メディア: CD


 その後も坂本龍一(『音楽図鑑』の"REPLICA")や矢野顕子らと共演("THE Snake and THE Lotus")するなど、日本とゆかりのあるグループでもありました。坂本龍一との共演を望んだのは、サイモン・ジェフィーズ自身であったといいます。また1987年には、ロンドン・コンベント・ガーデンでロイヤル・バレエによる公演『トリプル・ビル』のハイライトとして新作「Still Life At Penguin Cafe」が上演されるなど、多彩な分野での活動が見られるグループでした。改めてサイモン・ジェフィーズの早い死去が惜しまれます。このアルバムは、彼の没後に発見された作品を含むピアノが中心の小品集です。彼の不世出の才能の一端が垣間みられます。イージーリスニングやCMに使われる曲という、限定したイメージで語られる事も多いペンギン・カフェ・オーケストラの楽曲ですが、そのベースにある音楽性の素晴らしさは再認識されるべきでしょう。


 http://www.allposters.com/  King penguins Walking (Jonathan Chester)
 ペンギンって、確かに何となく人間っぽいところ、ありますよね...。


 http://www.allposters.com/ King penguins Walking (Jonathan Chester)
  二本脚で歩いて、またその姿がよちよちしてかわいいし...。


 http://www.allposters.com/ King penguins Gathering (Jonathan Chester)
 群れているところも、なんとなく 人間っぽいし...(笑)。


 http://www.allposters.com/ Swimming in the ocean (Bill Curtsinger)
 泳ぎはとっても早いんですけどね...。


 http://www.allposters.com/ Penguins, South Africa (Jacob Halaska)
 でも何となく、ゆったりして見えるし...。


 http://www.allposters.com/ A close encounter (Gordon Wiltsie)
 人間とも、案外こんなに距離が近い動物なんですよね...。

 サイモン・ジェフィーズの音楽には、そんなイメージが込められていたかも知れません。

 明日もまたペンギンにちなんだお話について書く予定です。(*'_'*)それではまた明日♪


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